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help RSS 環境落語本原稿「環境価値流通元年(その3)」

<<   作成日時 : 2012/01/22 12:39   >>

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さて、最終回はマイ箸で森林保全や地球温暖化のイメージを子供たちに説明します。それから、普及啓発をしてPRすれば将来には商売に役に立つこと、しかし、子供たちは小遣いをせしめるために真剣に聞いています。そこへ、ある親が怒鳴り込んでくるのです。子供にそんなことを教えるなと・・・・・
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                 *写真は入手先不明です。

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環境屋「だんだん、欲の皮、つっぱってきよったな。子供も大人も変われへんな。よっしゃ、次はとっておきの話したろ。先に言うとく。この話しは、こっちも元手がかかってる。ちょっと高いで。お金持ってへんやつは、帰って。」

子供「おっちゃん、そんなこと、言わんと。お金やったら、儲けた分で返すから。」

環境屋「ここまできたら、子供のくせに、えらい商談持ち込みよんな。おっちゃんとこは、いつもニコニコ現金払いや。常連のお客さんも貸し借りなし。明朗会計や。金のないやつは、帰ってくれ。」

 かえる子もいましたが、それでも、まだ、たくさんの子が目を輝かせて話を待ってます。

環境屋「よっしゃ、残ったんは、こんだけか。そしたら、始めよか。」

 また、自転車の荷台の別の引き出しから、何やら、取り出します。

環境屋「みんな、これ、何かわかるか? わかる人」

子供「おっちゃん、バカにしたらあかんわ。それ、箸に紐ついてるだけやないか。」


環境屋「そうや。箸に紐ついてるだけや。」

子供「なんか、うさんくさいな。」

環境屋「だまっとけ。今まで、おっちゃんのストーリーは完璧やったやろ。今度も完璧やで。これは、箸は箸でも、ただの箸やない。マイ箸言うねん。マイというのは、英語で“わたしの”という意味や。わたしの箸、わたし専用の箸ということや。この紐は首からぶら下げられるようになってる。いつでも、こうして、ぶら下げてもっとくんや。」

子供「そんなん、かっこ悪いわ。」

環境屋「かっこ悪いんと、儲かるのと、どっちがええ? なんや、急に黙りよったな。そしたら、この話もよう聞いとけよ。絶対得するから。家では、普通の箸でご飯食べるやろ。その箸はどうする?洗ってまた、使うやろ。今度はラーメン屋とかうどん屋行ったことあるやろ。そこの箸はどうなってる?」

子供「この前、おじいちゃんにうどん屋連れて行ってもろた。そしたら、割り箸があって、使ったやつは、みんな捨ててたで。」

子供「うちも、この前、おとうちゃんが酔っぱらってかえってきたとき、おみやげのお寿司に割り箸ついとった。せやけど、それで食べたあと、おかあちゃんがみんな捨てとったわ。」

環境屋「せやろ。その割り箸がいかんねん。割り箸いうのんは、木で出来てる。その木は山に生えてる木を切り倒して割り箸にするねん。」

子供「それが、なんで、あかんのん?」

環境屋「ちょっと難しい話になるけど、木というのは二酸化炭素を吸って、酸素をつっくてるんや。その二酸化炭素いうのは、最近、テレビでもようやってる、地球温暖化いうやつの原因になってる。せやから、木をたくさん、おいといて、二酸化炭素をいっぱい吸ってくれなあかん。木をどんどん切り倒すと二酸化炭素が増えて地球には、ようないのや。」

子供「テレビで見たことあるわ。北極の氷がとけるとか、洪水がくるとか、いうやつやろ?」

環境屋「あんた、偉いね。地球環境問題は小さいころから考えとかなあかんからな。感心、感心。 それでも、切ってもええ木もある。それは歳のいった木とか、周りの木の成長をじゃまする木、そんな木は切ったほうが、若い元気な木がよく育つねん。そのほうが、二酸化炭素もぎょうさん吸ってくれる。切ってもええ木は、あんまり、ええ木やのうて、使い道もあんまりない。こういう木を割り箸にしてもええけど、あんまりええ割り箸にはなれへんのんや。曲がったやつとか、すぐ、折れるやつあるやろ?それに、使ったら捨てるから、ゴミが多なってしょうがない。そこで、このマイ箸の登場や。割り箸を使わんと、このマイ箸をみんなが使ったらどうなる?」

子供「割り箸屋が儲からんようになる。」

環境屋「おまえは、儲けることしか頭にないんか。それもそうやけど。」

子供「割り箸がいらんようになる。」


環境屋「さすが、地球環境問題、勉強してる子は違うなぁ。ということは?」

子供「木を切らんでようなる。」

環境屋「すごい、ということは?」

子供「割り箸がつくれんようになる。」

環境屋「ということは?」

子供「割り箸屋が儲からんようになる。」

環境屋「なんで、そこに戻んねん。おまえも大したことないな。木を切らんでようなる。ということは、二酸化炭素をいっぱい吸ってくれるいうこっちゃ。木をいっぱい、残しといたら、二酸化炭素が減るいうこっちゃ。ということは、ここからはちょっと難しいから、おっちゃんが答えを言うたろ。二酸化炭素が減るということは、さっき言うた地球温暖化がようなるいうことや。地球温暖化がようなったら、北極の氷も溶けへんし、洪水もおこらんいうこっちゃ。地球に住んでるもんが、みんな助かるいうことや。」

子供「まだ、儲かってませんな。」

環境屋「ちょっと、まちぃな。いま、言うたことわかるか? このマイ箸をみんなが使こたら、地球に住んでるもんが、みんな助かるいうことや。すごいことやで。」

子供「そしたら、そのマイ箸、みんな買わなあかんいうことか? おっちゃん商売うまいな。
いまのところ、おっちゃんだけ儲かってる状態やね。」

環境屋「わかったがな。これから言うから。この話はな、一回だけの儲けとちごて、あるところへ行くと何回でも儲かる言う話や。」

子供「なんやて。はよ言うたらんかい。おっさん。」

環境屋「おっさんて、ますますガラ悪なってきよったで。まぁええわ。この公園の裏にラーメン屋あるやろ。」

子供「また、訳のわからんこと言い出したで。儲けとラーメン屋と何の関係あるのん。」

環境屋「儲けよ思うたら、情報収集も大事や。おっちゃんは常に情報収集してるねん。そのラーメン屋はな、マイ箸持っていって、割り箸使わんかったら、全品50円引きになるねん。」

子供「そんなことして、ラーメン屋儲かるのん?」


環境屋「さぁそこや。よう聞けよ。そこのラーメン屋のおやじも、おっちゃんと同じで、価値のわかるおやじでな。割り箸が地球環境に悪いことを知ってるねん。それと、割り箸は結構高いし、使ったあと捨てるからゴミが出てしょうがない。割り箸使わんようになったら、それだけ経費が助かるいうことや。最近は竹の箸で洗ってまた使ってるらしいけど、これも、環境のことを考えたら正解や。せやけど、それには洗う手間とかかかるし、PR性が弱い。なんでか言うたら、環境にええことしてんのは、自分とこの店だけで、店に来た人しかわかれへん。そこで、マイ箸を持ってきた人は50円引きやいう、広告を出したら、みんなで環境にええことしましょうということになるやろ?」 

子供「それで?」

環境屋「おっ、だんだん環境価値に興味もってきよったな。最近は環境にええことしようという人が増えてはおるんやけど、どないしたらええか、わからん人も多い。こういう人が広告を見たら、なるほど、こんなことから始めよか、となるねん。これを難しい言葉で“普及啓発”いうねん。これも憶えといたら得するで。そういう人らがマイ箸もって店へ来るようになる、しかも、50円引きや。単品では50円引きやけど、総売上は上がる。50円引きでも損するような値段はつけてへん。結局、儲かってることになるんや。それと、店の評判が上がる。環境を考えてるラーメン屋やいうて。こうゆうふうにして、このおやじは、環境価値を利用して、儲けてるんや。」

子供「なるほど。それで、新聞紙もプチプチも環境価値を見つけたら、儲かるいうことか。」

環境屋「そうや。わかってきよったな。」

子供「それで、何回も儲かる方法、はよ、教えんかい」

環境屋「今度は自分のことか。よっしゃ、そしたら、まず、このマイ箸を500円で買うてもらう。」

子供「そんな、しょうぶない箸、500円て、ぼったくりやん。」

環境屋「それが、500円ぐらい、すぐ回収できる。よう聞けよ。このマイ箸をもって、さっきのラーメン屋に行ったらどうなる?1品50円引きや。家族で行ったら何品食べる?5品も6品も頼むやろ。6品で300円バックや。2回行って6品ずつ注文するとしたら600円バックや。これで500円は回収できて、100円儲け。3回目からは、全部儲け。どうや?」

子供「システムはわかった。どうやって、おかあちゃんに説明するのん?」

環境屋「システムて、実業家にでもなったつもりか。今まで、おっちゃんの言うたこと説明したらええねん。」

子供「なんて?」

環境屋「おまえら、今まで何聞いとってん。まず、これはマイ箸いうこと、マイ箸は割り箸を使わんようにするためにあること、割り箸は木でできてる、木を切らんようにしたら、地球温暖化がようなる、地球温暖化がようなったら、北極の氷も溶けへんし、洪水もおこらん、地球に住んでるもんが、みんな助かる、こう説明したら、おかあちゃんは“かしこい子やねぇ”となんねんや。」

子供「せやけど、どうやって、ラーメン屋に誘導すんの?」

環境屋「誘導て。そうやなぁ、このマイ箸を持っていったら50円引きになるラーメン屋があることを説明すんねん。それで、“これからは、ひとりひとりが地球環境を考えなあかん時代や。せやから、家族みんなで地球を守ろ。”言うねん。ここで、商談や。“ラーメン屋見つけてきたんも、僕やし、みんなで行くだけで、地球環境にええことすることになる。割引の分、お小遣いにくれる?”そしたら、たぶん、おかあちゃんは“しゃぁないねぇ、これからは、環境を考えて何かせなあかん時代やからねぇ。”商談成立。ここでも、おっちゃんから聞いたて絶対に言うなよ。それから、おかあちゃんを説得できたということは、環境にええことを“普及啓発”できたということや。同時に環境価値を売ったということや。」

子供「おっちゃんて、天才の中の天才やな。マイ箸買うわ。」

子供「僕も」「わたしも」「みぃちゃんも」「けいちゃんも」

環境屋「あら、ピンクレディも買うてくれんのか。はい500円、毎度500円・・・・」

子供?「わしもにも、ひとつ。もう老い先短いんで死ぬまでに、地球にええことしたいんでのぉ。」

環境屋「じいさんも買うてくれんの? 地球にええことして死んだほうが、浮かばれるで。」

子供「おっちゃん、聞いても無駄やと思うけど、地球環境にええこと、なんかしてんのん?」

環境屋「そら、こうやって、おまえらに普及啓発してもらうために、いろいろやってるやないか。」

子供「せやけど、自分では何にもせえへんねやろ。言うだけで。」

環境屋「ええやないか。おっちゃんもおまえらも儲かるねんから。」

 わいわい言うてるところへ、えらい剣幕で、ある子供の親が怒鳴り込んできます。

親「こらぁぁぁぁぁ、おまえか、うちの子供だまくらかしとんのんはぁぁぁぁ。」

環境屋「だまくらかしてるて、人聞きの悪い。ちゃんとした商売してますがな。」

親「なにが、ちゃんとした商売や。最近、嫁はんに聞いたら、うちの子供がえらい小遣いせびりよる。子供に問いただしたら、環境屋言うわけのわからんおっさんに吹き込まれた言うやないか。どんな商売さらしとんねん。」

環境屋「わけのわからんおっさんて、あんた、ちゃんと嫁はんと子供に聞きはりましたか?」

親「聞いたがな。新聞紙売られて15円やったとか、プチプチで150円やったとか、あげくは、ラーメン屋に連れて行けとか。どないなっとんねん。」

環境屋「それで、嫁はん、怒ってはりましたか?」

親「いや、それは・・・ それほど怒ってない。」


環境屋「訳もわからんと、怒ってるの、あんただけやな。ここにおる子供らに聞いてみなはれ。おぉ、みんな言うたれ。」

このころには、完全に子供を味方につけております。

子供「おっちゃんは天才の中の天才やで。」

子供「ものの“価値”、いろいろ教えてもろた。」

子供「環境にええこと、せなあかんて、わかった」

子供「普及啓発て知ってるか?」

子供「儲ける方法も教えてもろた。」

親「ほれ、みてみぃ。こんな小さい時から、儲ける方法吹き込んでどないするねん。うまいこと、まるめこみあがって。」

環境屋「そしたら、嫁はん、なんて言うてはりました? 子供が小遣いせびるだけでは、そう簡単には小遣い渡しませんやろ。」

親「そらぁそうやな。そういうたら、新聞紙の時は、子供がものを大事にするようになった言うてた。プチプチの時は子供が環境のことを考えてるのがわかった。プチプチ貼ったら、電気代も安なった言うてたな。ラーメン屋の時は、子供が、みんなで環境にええことせなあかん言うて、ラーメン屋行こ言うたんは、嫁はんやったかもしれんな。それにしても、子供に金の話からめたら、あかんがな。」

環境屋「いいや。こういう感覚は将来、ものすごい大事になる。環境をよくするには、誰かが損をしてはいかんのです。これからは、みんなが、得をして、環境をようする方法でないと環境は、いつまでたっても、ようはなりません。それには、品物やら、やってることに環境の価値を見つけること、これをPRしたり、普及啓発することで、商売になったり、商品が高く売れることになる。あんたのお子さんは、新聞紙やプチプチの環境価値を理解した。この価値を売るために、プチプチを貼るというサービスを付加して母親との商談を成立させた。更に、ラーメン屋の件では、普及啓発という、一番難しいことを、やってのけたんですよ。だれも損はしてない、みんな得をしてるんです。」

親「なるほど。それも一理あるな。うちの商売にも、こんなことを考えたらもっと儲かるかもしれん。」

環境屋「そうそう、もっと環境価値を考えなはれ。きっと儲かるし、環境もようなる。これを子供のころから考えるように教育しとくと、きっと地球も変わる。環境価値が流通するようになる。今が“環境価値流通元年”や。そういうもんを売って歩いてるんです。」

親「そんなけ、値打ちのあるもん売ってるんやったら、全部売ってくれ!!!」

環境屋「それが、全部売り切れました。売れ残ってるのは私だけです。」

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サゲわかりましたか?

環境屋は人に言うだけで、自分は全く環境活動はしない。従って、自分は環境価値のない人間だと言っているのです。

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環境屋はまず、新聞紙で子供たちの興味をそそりました。次はプチプチです。プチプチを窓に貼れと・・・・ これでお母ちゃんから小遣いが稼げると・・・ その原理、効果をどのように子供たちに説明するのか・・・・ ...続きを見る
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2012/01/22 12:43

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